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第4章 空き缶でピンホールカメラを作ろう(1)

 

【4.ピンホールカメラ(缶)の製作】

【初めに】
前章にひきつづき、ピンホールカメラ本体の製作です。
今回は缶を使います。そして、箱型(長方体)ではなくて、楕円円筒形の缶を使ってみます。
普通のカメラでは、フィルムは必ずレンズと並行に平面にセットされます。(一部レンズ付フィルムは湾曲してセットされていますが、これもレンズが1つ(単玉)のため、ゆがみを補正する目的です)
ところが、ピンホールカメラの場合は、1章で書いたとおり、焦点という制約がないので、レンズとの距離に関係なく、どこでも同じような解像度のピントが得られます。像が大きくなるか、小さくなるかの差だけです。 ということは、感光材料(フィルムや印画紙など)が、平面でなくてもかまわないということになります。 実際、そうして、意図的に湾曲させた画像やゆがんだ画像を作品にしている、ピンホール写真家もたくさんいます。 ピンホールならではのそのような特殊効果の写真については、別章で載せたいと思いますが、本章では、そのひとつ、フィルムを湾曲してセットできる、缶ピンホールカメラの製作を参考に載せます。

なお、画像が多いので、この章はページを分割してあります。

この章で案内した作り方で実行される場合、安全には、自己責任において、十分注意して実施してください。 不注意で、怪我や、事故をされた場合、著者は、一切、いかなる責任も負いません。

 

【準備】

以前誰かにもらった、ディ○ニーランド土産の菓子缶がありました。楕円形の円筒の缶です。大きさも深さも手ごろです。これに、印画紙ではなく、4×5(しのご)という、ビューカメラに使うシートフィルムを缶の曲面に沿ってセットできる、カメラを作りたいと思います。

準備する道具
1)ドリル(電動でなくても良い) 5mm径くらい。(必要な場合はセンターポンチか釘)
2)つや消し黒のスプレー塗料
3)丸棒やすり  4)紙やすり (3と4は缶の穴のため)  5)黒のマジック
6)黒のテープ(パーマセルテープ等)
7)定規など  8)古新聞紙

そして、2章で作ったピンホールプレート

 

【1.穴あけ】
缶自体は宣伝になってしまいますが、ご容赦ください。まず、側面の中心をスケールで測り、ドリルで径約5mmの穴を開けました。次に孔のバリを丸棒ヤスリでこすり、滑らかにしました。

写真-1:今回使った菓子の空き缶
写真ー2:孔を開けたところ

 

【2.内側を塗る】
「艶消し黒」のスプレー塗料で、缶の内側、ふたの内側をまんべん無くスプレーして黒く塗りました。外側が汚れないよう、新聞紙でカバーしてあります。乾きには時間がかかります。完全に乾くまでゴミのかからない所に置いてください。艶のある黒だと、内部反射の危険がありますので、必ず「艶消し」を用意してください。もっと本格的な反射の無い塗料を使う人もいますが、経験的にはこの塗料で十分です。

写真-3:内部を黒く塗装する準備
写真ー4:塗装終了、乾燥させています

公開:2002.5.22 更新:2010.7.7

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