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第6章 印画紙の現像とポジの作り方(2)

【4.ポジの作り方】

1)準備としては、まず、光源が必要です。
引伸ばし機があれば結構ですが、なくても電球タイプのスタンドや吊り下げ型のの照明を使えます。
この場合、できれば、トレーシングペーパーを2枚ほど、前に張りましょう(熱くなるので電球とは離して)。
これは、なるべく光を均一に当てるためです。
もうひとつ、ガラス板が必要になります。ネガ印画紙とポジを作る印画紙を密着させるためです。無反射タイプのガラス板があれば、なおベターです。
おしまいに、一番下に置く黒い紙を用意しましょう。(黒ケント紙など)これは無駄な光の反射を防ぎます。

2)安全光のもとで作業します。重ね方は一番下に黒い紙、次に、ポジを作る新しい印画紙を1枚出して、上向きに置きます。それから、十分乾いているネガ印画紙を下向きに、印画紙の表と表がくっつくように、重ねて置きます。一番上にガラスを載せて押さえます。


☆テストプリント

3)光源の強さ、ネガの濃さ、印画紙の感度、それぞれによって、光をあてる時間が異なりますから、まず、1枚印画紙は無駄になりますが、テストをします。全体を5〜6等分し、同じ秒数(2秒とか4秒とか決める)ずつ増やして露光して、最適な秒数を決めます。まず、始めの部分だけ露出させ、残りは黒い紙で多い、第1回目の露光(点灯)をします。次に2番目の部分まで出して、残りは隠し2回目の露光をします。順次繰り返し、最後は紙のない状態で点灯して終ります。こうすることで、印画紙上は5〜6の帯状に、N秒、2xN秒、〜 6XN秒の露光が段階的に与えられています。これを標準時間で現像します。定着後、照明をつけて、どの濃さが最適かを見つけます。(全体が薄すぎる場合は、一回の秒数を増やしてもう一度やります)

4)最適な秒数が決まったら、本番のプリントに移ります。同じように重ねて、その秒数だけ露光させて、現像しましょう。水洗や乾燥は3と同じです。


【5.その他のこと(使用する印画紙の種類など)】

撮影に使う、ネガ用の印画紙は、RC印画紙の号数タイプで、1号や2号が使いやすいと言いましたが、ポジを作る印画紙は、同じ種類の印画紙で、もちろんOKですが、多諧調印画紙をポジに使い、フィルターで号数を調整すると、ネガの調子に合わせて、ポジのプリントを調整できます。

撮影もポジも1回の作成で満足せずに、何度もトライすることが大事です。

最近は、PCが普及し、スキャナーも安くなってきましたので、ポジの製作をデジタルに任せるということもできます。ネガ印画紙をスキャナーで読み込み、白黒反転させれば、ポジ画像ができます。この場合、出力は画面または、プリンターになります。超アナログのピンホール写真を、デジタルで最終処理するのも一興です。ひとつだけ良いことがあります。印画紙ネガを使う場合は、フィルムネガと違って、引伸ばしができません。密着プリントしかできないので、拡大画像は得られません。しかし、PCにデジタルで取り込めば、プリントサイズは大きくすることもできます。

ネガ印画紙とポジ印画紙の例(ピンホール写真作例)

 

公開:2002..8.12 更新:2002.8.16 

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